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自己肯定感を育むということ─スタッフ教育の新たな視点

季節が移り変わり、新たな店づくりに追われるなかで、僕はあらためて考える機会がありました。組織の土台を支えているのは、味や技術だけではありません。そこに関わる一人ひとりの「自己肯定感」ではないか──そんな風に考えるようになりました。


今回は「自己肯定感を高めてあげる教育」というテーマで、ソラノイロが今、どのように人を育てようとしているのか、その試みについて書いてみたいと思います。


「叱る」教育から「認める」教育へ


僕らの世代までは、「教育=間違いを指摘すること」というスタイルが当たり前でした。褒めるという行為に慣れていない人も多かったように思います。


でも、今の若いスタッフたちは、僕たちが受けてきたような「叱られて育つ」経験をしていないことが多い。だからこそ、強く指摘されると、「否定された」と感じてしまい、離職につながってしまうこともあります。


では、どうすればよいのか?


僕は、彼らが「この場所で自分は必要とされている」「ここで役に立てている」と実感できるよう、積極的に言葉をかけていくことが大切だと考えています。


「ありがとう」「君のおかげだ」──そうした“認める言葉”を、リーダーの側から発信していく。それが、自己肯定感を育むことにつながっていくと思うのです。


また、「自分はどのように見られているか」「どんな点で評価されているのか」を伝えるコミュニケーションも欠かせません。現場での何気ないやりとりに加えて、ランチや面談、時には一緒にお茶をする時間など、落ち着いた場での対話を増やすことが重要だと感じています。


地域も国籍も越えて、「承認の仕方」を学ぶ


ソラノイロには、外国籍スタッフも多く在籍しています。たとえば、ベトナム出身のスタッフにとっては、「皆の前で叱られること」が屈辱となってしまうそう。そうなると、モチベーションを著しく損なうことになりかねません。


皆の前で褒める。注意が必要な時は個別で静かに伝える。そのように、その人の文化や価値観を尊重したアプローチが求められる時代です。


こうした「承認の方法」の多様性を学び続けることも、リーダーとしての大切な役割だと感じています。


そして、人づくりは、ラーメンづくりと同じくらい大切な営みです。技術や知識の継承と同じように、人と向き合う姿勢、育てる力が、これからの飲食業には不可欠だと僕は思っています。


教育は、技術だけでは測れない


「美味しいものを出せばいい」「ラーメンさえ作っていればお客が来る」──かつてはそんな考え方もあったかもしれません。けれど、店舗を増やし、チームを作り、未来へとつなげていくには、それだけでは足りません。


関わる一人ひとりが、「どんな価値観で」「どんな気持ちで」働いているか。そこに心を寄せて支えていくこと。技術と感性、人と価値観、教育と承認──そのバランスが、これからのラーメン屋経営には求められると感じています。


「若者はすぐ辞める」と言われてしまうことがあります。でも、それをただの愚痴で終わらせてはいけない。辞める人を採用したのは自分。育てきれなかったのもまた自分。その責任を受け止めたうえで、何ができるかを考えていく。


SNSで、キラキラした自分を発信する若者が多いのは、「認められたい」「誰かの役に立っていると感じたい」という気持ちの表れなのかもしれません。


だからこそ、僕たちがすべきことは、とてもシンプルです。


まずは、その人を認めてあげること。そのうえで、自分ならではのイロを出せるよう、そっと支えていく。


それが、スタッフ一人ひとりの自己肯定感を育てるということだと思っています。


スタッフという「個」を大切にしながら、ソラノイロという「組織」も、自己肯定感を軸に、これからも前へ進んでいきたい。そんな風に考えています。

 
 
 

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