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“うまい”をつなぐ、その先へ──コンサルはレシピを“売るだけ”なのか?

以前のnoteで、現場とメーカーをつなぐコンサルティングについて書いたことがあります。


僕は、一次情報を持つ現場の人間として、両者のあいだに立ち、橋渡しをする。それが自分の役割だと考えてきました。



実際、これまでラーメン店を一度もやったことのない方とゼロから店舗を立ち上げたり、既存店の麺メニュー導入や商品開発の支援を行ったり、メーカーやキャラクターとのコラボ、地方創生案件まで幅広く関わってきました。1999年からラーメン業界に身を置き、27年――5000軒以上を食べ歩き、200種類以上のラーメンを作ってきたのです。そこで、業界の変化を、現場で見てきました。そのなかで、最近あらためて考えさせられる出来事がありました。


コンサルや商品プロデュースの案件が、想定よりも早い段階で終了するケースが続いたのです。


理由はシンプルでした。ノウハウを吸収できたから、というものです。


レシピを手に入れた。SNSの動かし方を理解した。だったら、あとは自分たちで回せる。

その発想自体を否定するつもりはありません。


ただ、ひとつ疑問があります。それは本当に、持続的な戦い方なのか? ということです。


レシピはその時点の最適解であって、完成形ではない


ラーメン業界は、変化が極めて速い産業です。


豚骨魚介系ラーメンや濃厚つけ麺が席巻した時代もあれば、鶏と水の醤油が流行ったこともあり、二郎系や家系の支持も根強い。流行は生まれ、消え、また形を変える。


二郎を真似すれば成功するわけでもなく、濃厚つけ麺を出せば売れるわけでもない。実際、鳴かず飛ばずで終わった店は数えきれません。


レシピは、その時点の市場やトレンドを前提に設計された、一瞬の最適解です。しかし、業界は常に動いている。いま通用している味やコンセプトが、3年後、5年後もそのまま戦えるとは限りません。


単発でノウハウを回収するモデルは、短期的には効率的に見えます。しかし、変化の速い市場においては、伴走しながらアップデートを重ねていく関係性のほうが、結果として強いのではないでしょうか。


これはコンサルの立場からの不満ではありません。ゼロから生み出す力と、それを拡張する力。どちらも必要ではないか、という提言です。


ゼロから生み出す人間の時間や思考、継続的にアップデートし続ける努力を、きちんと価値として評価できているのでしょうか。


短期的な合理性を優先するのがビジネスかもしれません。だけど、クリエイターや現場への敬意はあるのか。


そこに、本当に「愛」はあるのか?


ラーメンは、効率だけで続くビジネスではありません。味も、ブランドも、文化も、時間の積み重ねでしか育たないもの。


ただ、変化の激しいこの業界で生き残るために本当に必要なのは、一度きりのノウハウではなく、変化に伴走し続ける関係性ではないか。


僕は、そう考えています。


ラーメン店『ソラノイロ』創業者

飲食店コンサルタント 宮崎千尋

 
 
 

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