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デジタル化が飲食店を弱くする?銀座本店で感じた違和感
2025年10月、そらのいろ銀座本店の移転オープンにあたって、本格的に「QRコード注文」を導入しました。お客さまがスマホで読み取り、オーダーし、会計もセルフで完結するスタイルです。 正直に言えば、店側にとってのメリットは大きい。オーダーの取り違いは減るし、人手も抑えられる。キャッシュレス決済とも相性がいい。いまの飲食業界の流れを考えれば、自然な選択だったと思います。 ただ、実際に運用してみると、ひとつ大きな違和感を覚えました。便利になったはずなのに、店全体を俯瞰すると、どこか噛み合っていない感覚を覚える瞬間があったんです。 便利さが、接客を止めてしまうとき 少し前に、ある店に行ったときのことです。その店でも、注文はQRコードを読み込むスタイルでした。 入店時に「当店は90分制です」と説明され、「あとのご注文はQRでどうぞ」と案内される。それ以降、店員さんとの会話はほぼありませんでした。 初めて入る店なのに…… 今日は何がおすすめなのか。 今日の肉はどれが一番いいのか。 この店らしい一皿は何なのか。 そういった情報が、まったくありません。もちろん、

宮崎千尋
1月14日読了時間: 3分


M&Aから1年──ソラノイロは、どう変わったのか
2024年7月、ソラノイロはOICグループに参画しました。M&Aという選択については、その時点で一度noteにも書いていますが、参画から1年が経ったいま、2026年の始まりにあたって、どう感じているのかを整理してみたいと思います。 結論から言えば――「やってよかった」と感じる場面のほうが、圧倒的に多い。それが、率直な実感です。 従業員環境の改善という、明確な成果 いちばん大きな変化は、従業員の待遇・働く環境に関するものです。もともと労働時間の管理などの働き方については、かなり考えてきたつもりでした。それでも、グループに入ったことで、さらに一段階上の水準に引き上げられたと感じています。 ・全体的な給与ベースの底上げ ・休暇や制度面の整理・長期的に働ける前提づくり これは、単独経営では正直、スピード感を持って実現するのが難しかった部分です。大きな資本と組んだからこそ、迷いなく踏み込めた。ここはM&Aの明確なメリットでした。 グループ参画によって得られた原価競争力 次に感じているのが、仕入れ面での強さです。OICグループは、グループで鶏舎を持っています

宮崎千尋
2026年1月1日読了時間: 3分


ラーメンアワードは、いま誰のためにあるのか
最近、いわゆる「ラーメン本」やラーメンアワードについて、考えさせられる出来事がありました。 ある新人賞で上位を獲得したお店が、Xでこんな投稿をしていたんです。「新人賞で上位をいただいたのに、ノーゲストです」賞を取った本人が、率直な疑問としてそう書いていた。その投稿が妙に頭に残りました。 そして、その翌日。別の新人賞を受賞したお店が気になっていたので、足を運んでみたんです。受賞直後だから、注目を集めているはず。僕はオープン30分前に店に到着して、並ぶ覚悟で待っていました。ところが、開店5分前になっても、並んでいたのは自分を含めて数人だけ。店内に滞在したあいだに来店したお客さんも数人ほどでした。 正直、「あれ?」と思いました。賞の影響力って、こんなものだっただろうか、と。もちろん、曜日や時間帯、そして立地など要因はいくらでも考えられます。 でも、それ以上に感じたのは、「ラーメンを食べに行くときに、参考にされるメディアが変わってきているのではないか」という違和感でした。 ラーメンを選ぶ基準は、もう変わっている いま、多くの人はラーメン本よりも、YouT

宮崎千尋
2025年12月29日読了時間: 4分


「日々おいしくする」ということの大切さ
『そらのいろ銀座本店』をオープンしてから、日々のオペレーションの中で強く感じることがあります。 ラーメンという料理は、どれだけメニューを手がけてきても、どれだけ試作を重ねても、「実際の店で提供してみて初めて見えるものが必ずある」という事実です。 場所が変わればお客様も変わる。器が変われば味の印象も変わる。麺が変われば、一杯の佇まいさえ変わる。つくづく、ラーメンは繊細で、奥深い。 今日はそんな「日々おいしくする」というテーマについて、銀座本店で改めて気づいたことを書いてみたいと思います。 器ひとつで、ラーメンはまったく“別物”になる 銀座本店では、新たなラーメンを提供しています。麺をもち小麦の手揉み麺に、器もシャープなモダンデザインのものに変更しました。お客様から好評の声もいただいていますが、正直に言うと、まだ完全には落ち着いていません。これはスープや麺そのものの出来というより、「全体としてどう見えるか」という印象の話です。 モダンな器にクラシックな味わいの中華ソバを合わせると、どこかまだ「落ち着きどころが定まっていない」ような感覚がある。...

宮崎千尋
2025年12月13日読了時間: 3分


移転は“ゼロ”からの勝負──銀座本店であらためて知った現実
10月3日に『そらのいろ銀座本店』をオープンしてから、約1か月半。銀座という街でどのような反応が返ってくるのか――?そんな期待と不安を抱えながらスタートした新しい本店ですが、日々の数字を見ていると、僕は何度も立ち止まって考える時間がありました。 「こんなに苦戦するとは、正直、想像していなかった」 ソラノイロが14年かけて積み上げてきた実績をそのまま“本店”として移転したはずなのに、なぜ届かないのか。理由を考えていくうちに、ひとつのシンプルな現実が浮かび上がりました。 移転とは、ただ場所を変えることではなく、実質的には“新規オープン”である、ということです。 移転は、ゼロからのスタートだった 銀座へ本店を移す前、8月には麹町店を『豚骨ラーメン そらのいろ 麹町本舗』へとリニューアルしました。驚いたのは、味を大きく変えたにもかかわらず、お客様がむしろ増えたこと。14年という年月が築いた“場所への信頼”が、味の変更すら受け止めてくれたのだと思います。 けれど、銀座本店はまったく違いました。 ソラノイロにとっては「本店移転」。しかし銀座の人たちにとっては

宮崎千尋
2025年12月1日読了時間: 3分


「評価軸を変えることで、自分をワンランク上げる──成長するリーダーの視点」
ここ最近、幹部たちの働き方を見ていて、ふと違和感を覚えることがありました。「なぜ彼らは、同じところでつまずくのだろう」と。考えてみると、それは“評価軸”の問題ではないか? そう感じるようになりました。 自分の動き、取り組みはどこで評価されるのか。その軸を誤ったままでは、どれだけ努力しても組織は伸びない。そしてこれは、視座を高く持つべきマネージャークラスにこそ欠かせない考え方だと、今あらためて感じています。 自分が動く人から、動かす人へ 店長であれば、自分がラーメンを作り、接客をし、面接も研修もして、数字をまとめ、在庫も管理して……。そうやって動くことこそが“評価されること”と言えるでしょう。しかし、複数店舗を任されるようになったら? その働き方のままでは、チームも、そして本人も成長しないんです。 店のヘッドがいなくてもオペレーションが回り、しっかりとラーメンを提供できる。スタッフが自ら考え、動き、成果を出す。 その仕組みをつくれる人こそ、次のステージのリーダーなんです。それに気づかず、自分が前に出続けていては、回せたとしても瞬間的なもので、それが

宮崎千尋
2025年11月16日読了時間: 3分


“普通”の強さを信じて──まっすぐなラーメンに込めた思い
麹町店のリニューアルや西葛西店のオープン後、SNSでこんな声を見かけました。 「何の変哲もない、普通のラーメンだった」 率直に言えば、こういう評価は今までも何度か見かけてきました。派手さがない、クセがない、ひねりがない──そうした視点で見れば、確かにそうかもしれません。 でも、不思議と僕は気にならなかったんです。なぜなら、僕は「普通のすごさ」を信じているから。長年、変化球のようなラーメンを作ってきた僕が、あえてまっすぐな直球を投げるようになった。むしろ、これは自分の中での“挑戦”なんです。 「普通に美味しい」を、真剣に作るということ たとえば、僕がいま個人的に好きなチェーンのひとつに、喜多方ラーメンの『坂内』があります。チャーシューの量が多いかな、くらいで、スープや麺はあくまでシンプル。でも、そこにはいつも行列ができています。なぜか? それは、“普通に美味しい”という圧倒的な信頼があるからです。決して奇抜な一杯ではないけれど、「あそこ、なんか食べたくなるよね」と思わせる強さがある。 そしてもう一軒、まさに“普通のすごさ”を体現している店として思い

宮崎千尋
2025年11月6日読了時間: 3分


自己肯定感を育むということ─スタッフ教育の新たな視点
季節が移り変わり、新たな店づくりに追われるなかで、僕はあらためて考える機会がありました。組織の土台を支えているのは、味や技術だけではありません。そこに関わる一人ひとりの「自己肯定感」ではないか──そんな風に考えるようになりました。 今回は「自己肯定感を高めてあげる教育」というテーマで、ソラノイロが今、どのように人を育てようとしているのか、その試みについて書いてみたいと思います。 「叱る」教育から「認める」教育へ 僕らの世代までは、「教育=間違いを指摘すること」というスタイルが当たり前でした。褒めるという行為に慣れていない人も多かったように思います。 でも、今の若いスタッフたちは、僕たちが受けてきたような「叱られて育つ」経験をしていないことが多い。だからこそ、強く指摘されると、「否定された」と感じてしまい、離職につながってしまうこともあります。 では、どうすればよいのか? 僕は、彼らが「この場所で自分は必要とされている」「ここで役に立てている」と実感できるよう、積極的に言葉をかけていくことが大切だと考えています。 「ありがとう」「君のおかげだ」──

宮崎千尋
2025年10月24日読了時間: 3分


オープンの準備は「本番」である─西葛西の反省から学んだこと
ソラノイロではこの2025年、連続して3店舗の立ち上げを行いました。8月の麹町本舗リニューアル、9月の西葛西店オープン、そして10月3日には銀座本店の開業を迎えることができました。どの店にも思い入れがありますが、今回はあえて、うまくいかなかった店舗オープンについて書いてみたいと思います。 「準備力」が問われた瞬間を振り返る まず、9月にオープンした西葛西店を振り返ります。正直に言うと、万全な立ち上げができたとは言えませんでした。その要因は明確で、はっきり言えば、準備が足りなかったんです。 もともと席数も少なく、店舗としてはコンパクトな西葛西店です。「これならなんとかなるだろう」と幹部にも油断があったのかもしれません。スタッフ数も限られており、アルバイトもオープン当日に戦力になり切れていない状況でした。現場で棒立ちになってしまうアルバイトを見て、思わず幹部に声を荒げてしまった場面もありました。 彼らは「自分たちが回せれば問題ない」と思っていたのかもしれません。でも、それは「準備」の本質ではないんです。準備とは、「誰が立っても回るお店」をつくるための

宮崎千尋
2025年10月15日読了時間: 3分


店主の背中から、何を学ぶのか──独立希望者へのメッセージ
ソラノイログループの新たな本店『そらのいろ銀座本店』が、いよいよ開店しました。これまで積み重ねてきた経験の集大成として、スタッフ一同、背筋を伸ばしてこの日を迎えることができています。 そんな節目のタイミングで、今回は「独立希望者が店主から何を学ぶべきか」というテーマについて書いてみようと思います。味や技術だけではなく、考え方や姿勢。僕自身が修業時代に学び、今、スタッフに伝えていきたいと思っていることについて、言葉にしてみます。 世界観を学ばなければ、弟子ではない 独立を目指してラーメン店で修行を重ねる人は少なくありません。ソラノイロにも、将来自分の店を持ちたいという想いを持ったスタッフがいます。でも、僕はいつも思うんです。独立希望者は、店主の「何」を学んでいるのか。 ラーメンの作り方やレシピ、オペレーションの流れ――もちろん、それらは大切です。技術として身につけるべき基本です。でも、それだけでは足りない。 僕が本当に伝えたいのは、「考え方」や「価値観」です。 たとえば、自分が好きなラーメンのレシピをそのまま使って独立する人がいます。それ自体は否定

宮崎千尋
2025年10月8日読了時間: 3分


商売は頭を下げてなんぼ 実るほど頭を垂れる稲穂かな
いよいよ今日10月3日、ソラノイログループのフラッグシップショップとして、『そらのいろ銀座本店』が開店します。そこで今回は、日々、お客さんを迎える僕たちの姿勢について書いてみようと思います。 そらのいろ銀座本店「特製中華ソバ」 簡単なようで難しい、「頭を下げる」ということ いま、東京都内だけでも4,000店近くのラーメン店があると言われます。そのなかで、自分の店を選んでもらうにはどうしたらいいか。味、接客、清潔さ――どれかひとつ欠けても、お客さんはすぐに離れてしまう。選ばれる理由を持ち続けなければいけません。 ソラノイロを開業した当初は、とにかく目の前の営業、数字、課題と戦う日々。余裕はまったくなく、「頭を下げる」という気持ちを持てていなかったように思います。 もちろん、「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」という挨拶と共に、「頭を下げる」という所作は、修行時代から店に立つようになって以降、当たり前のようにやってきていました。でも、そこに「意識」があったかというと、微妙ですね。誰に対して、どんな感謝の気持ちを込めて頭を下げているのか。それに

宮崎千尋
2025年10月3日読了時間: 4分


「世界観」が店を決める─デザイン・音楽・器の話
10月3日、『そらのいろ銀座本店』を開店する運びとなりました。麹町、西葛西に続き、今年は3店舗の出店が重なったことになります。現在、現場の中心に立っているのは、幹部の大庵と松本。このふたりには、ただ料理を任せているだけではありません。器の選定から音楽、掲示するポップに至るま...

宮崎千尋
2025年9月22日読了時間: 3分


「引き算」が店を育てる─メニューを絞って見えてきたもの
8月に麹町本店を『そらのいろ麹町本舗』としてリニューアルオープン。そして9月6日には、新店舗『そらのいろ西葛西店』を開店しました。グループとして、東京東部では初めての出店となります。少し緊張しながらも、スタッフと共に新しい土地での挑戦を楽しんでいます。...

宮崎千尋
2025年9月16日読了時間: 4分


組織を動かすのは“情報の流通”──ソラノイロを前に進めるコミュニケーションとは
8月21日、創業の地・麹町の本店が 『そらのいろ麹町本舗』 としてリニューアルオープンしました。 今回のリニューアルには、実は社長である僕はまったく関与していません。軸となるメニューの試作から、店舗デザイン、施工の管理に至るまで──すべて、2015年から頑張ってくれている...

宮崎千尋
2025年8月30日読了時間: 6分


凡事徹底が飲食店を変える─「当たり前」を徹底できるチームこそ、強い
今回は 「凡事徹底」 というキーワードについて考えてみたいと思います。この言葉自体は、何度も繰り返し言われてきたこと。当たり前のことだと思われるかもしれません。 でも、飲食店って、この「当たり前」の繰り返しなんですよね。仕込みをして、営業して、片付けして、レジ締めて終わる。...

宮崎千尋
2025年8月19日読了時間: 3分


「やる」と決めたら、やりきる─ソラノイログループ3店舗出店の裏側
このたびソラノイロでは、 2023年10月以来となる新規出店を2店舗、そして1店舗のリニューアルオープ ンを予定しております。 まず、創業14周年を迎えた麹町の本店を、東銀座に移転し 『そらのいろ本店』 として新たにオープンいたします(9月予定)。昼はラーメン店として、夜は...

宮崎千尋
2025年8月6日読了時間: 4分


美味しさの最大公約数─いま、僕が注目している「外食」は
最近、吉野家が「初の麺商品」と銘打った「牛玉スタミナまぜそば」をメニューに加えたと聞き、食べに行ってみました。 正直、吉野家らしく“牛肉の可能性をもっと活かしたまぜそば”だったら、もっとワクワクしたかもしれない……とも感じましたが、牛丼チェーンが麺商品を一気に全店導入すると...

宮崎千尋
2025年7月29日読了時間: 7分


ソラノイロの“色”を出せなかった─商業施設とブランドの摩擦
このたびソラノイロでは、2023年10月以来となる新規出店を2店舗、そして1店舗のリニューアルオープンを予定しています。 まず最初に動くのは、先日14周年を迎えた麹町のソラノイロ本店。この店舗を、東銀座へと移転し、「そらのいろ本店」として新たにオープンします。オープンは9月...

宮崎千尋
2025年7月19日読了時間: 5分


ラーメンイベントの現場から──プロの凄みと、自分たちらしさ
僕たち、ソラノイロも2025年6月で創業14周年を迎えました。前回は、店舗を広げていく中で感じたことを綴りましたが、飲食店を運営していると、店舗とはまったく違う“舞台”に立つ機会もあります。そのひとつが、ラーメンイベント(催事)への出展です。...

宮崎千尋
2025年7月10日読了時間: 3分


出店ラッシュの代償──撤退と損切りという学び
1号店、2号店と形にし、2015年には東京駅の東京ラーメンストリートに『ソラノイロNIPPON』(現そらのいろNIPPON』を出店。「ソラノイロ」というブランドが少しずつ広がり始めていた頃。次に行こう、もっと大きくしよう。そんな勢いが、自分の中に確かにありました。...

宮崎千尋
2025年6月28日読了時間: 4分
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