top of page

ラーメン店がSNSをやるということ

最近、ラーメン店がSNSやYouTubeで発信することについて考える機会が増えました。ここ数年で、空気はかなり変わったように思います。


炎上、バズ狙い、挑発的な発言。

他店を批判したり、袋麺やインスタント麺をディスる。


あえて強い言葉を使って注目を集める発信も目立つようになってきました。一部のラーメン好きにとっては、それもエンタメとして成立している部分があるのかもしれません。店主同士のやり取りや、ちょっと過激な発言を楽しむような文化ですね。


コンテンツとしては面白いのかもしれない。メーカーや同業者へのリスペクトはあるのか、それが業界のためになっているのか。


あとは、お客さんのマナー問題もありますね。


代表待ち、路上駐車、喫煙トラブル。

現場で直面すると、どうしても一言言いたくなる。でも、それをSNSで強く発信することが本当に最善なのか。感情的にぶつけてしまっていないか。


もちろん、全員が高尚であれという話ではありません。ただ、外から見て「ラーメン業界って低俗じゃない?」と思われてしまうのは、やはり心外です。


結局、SNSは「どう使うか」が問われる


結局問われているのは、「SNSをやるかどうか」ではありません。どんな思想で使うのか、その一点だと思います。


たとえば、SNSをうまく使っている店もあります。『駄目な隣人』や『鬼金棒』、小池グループなどは、広報を含めて発信がよく設計されていると感じます。


商品の魅力をきちんと伝え、ブランドとしての統一感もある。バズらせるための工夫もある。あれは素直にすごいと思います。


SNSは、使い方によっては大きな武器になる。ただし、同時にリスクでもあります。


僕自身も、以前より慎重になりました。個人としての発信と会社の立場としての発信は、しっかり分けていかないといけないなと感じています。


自分の発言がどんな影響を持つかを考えると、気軽に呟くことはできません。個人的な意見でも、良くも悪くも拡散されてしまう。


だから最近は、不特定多数に向けた発信よりも、自分の考えをちゃんと受け取ってくれる人に届けたいと思うようになっています。このnoteのような場のほうが、自分には合っているのかもしれません。


結局、SNSは「やるか、やらないか」ではなく、「どう使うか」です。


ブランドを積み上げるために使うのか。一時的な注目を集めるために使うのか。それとも、信頼を育てるために使うのか。


発信の自由がある時代だからこそ、そこにポリシーが問われる。


ラーメン屋がSNSをやること自体が問題なのではありません。そこに、品と思想があるかどうか。いまは、そんなことを考えています。


ラーメン店『ソラノイロ』創業者

飲食店コンサルタント 宮崎千尋

 
 
 

最新記事

すべて表示
個人ラーメン店が生き残るメニュー戦略とは

先月、こんなテーマで個人店のサバイバルを経営環境の面から考えてみました。 個人ラーメン店は、これからどう生き残るのか そこで今回は、メニューという視点からあらためて考えてみたいと思います。経営環境だけでなく、現場での打ち手として何ができるのか。そう考えていくと、個人店が生き残るためのパターンは、ある程度見えてきます。 まず一つは、流行のメニューに取り組むこと。 二郎系、家系、ちゃん系、鶏水系。いま

 
 
 
現代ラーメンの源流を、いまもう一度考える──春木屋というブランドをめぐって

最近、春木屋の恵比寿店を訪れました。そのとき、自分が以前に書いたnoteのことを思い返したんです。 現代ラーメンの源流の一つ、「春木屋」を考える 「春木屋は、僕のラーメン人生の原点とも言える店なのです」 僕は、そう書いています。 あれから7年が経ちましたが、その思いは今も変わっていません。 春木屋の本質はどこにあったのか? でも、恵比寿では、正直言って愕然としました。そのラーメンは、荻窪や吉祥寺の

 
 
 

コメント


bottom of page