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40年を迎えた名店『道頓堀』からの学び―ソラノイロ14周年を迎えて

更新日:7月22日

6月14日、ソラノイロは14周年を迎えます。本来なら「14周年を振り返って」みたいなトーンでnoteを書こうかなとも思ったんですが。15ならキリがいいところ、14ってちょっと微妙なところもあり……先日の出来事と、そこでの所感を書いてみようと思います。


40周年の場で思い出した、ラーメンの原点


先日、『中華めん処 道頓堀』の40周年パーティーが開催されました。おかげさまで大盛況のうちに幕を閉じたこのイベントには、僕自身も発起人の一人として参加しました。師匠である『博多一風堂』ファウンダー・河原成美さんも同じく発起人として名を連ねており、ご縁の深い面々とともに、節目となるこの日をお祝いできたことを嬉しく思います。


みなさんもご存じでしょう。成増にある『道頓堀』。店主の庄司武志さんは、ラーメン業界でも知らない人はいないキーパーソン。東京を代表する店となった今でも、味を突き詰め、毎日の仕込みに力を注ぎ続けています。睡眠時間を削ってまで、少しでも美味しい一杯を出そうとする姿勢には、リスペクトしかありません。


僕が初めて道頓堀を訪れたのは、大学生の頃でした。今の場所に移転する前、成増の住宅街にお店があった時代です。僕がクルマを運転して、現ラーメンデータバンクの会長を務める評論家・大崎裕史さんを乗せて行ったのを覚えています。ちょうど、意識的にラーメン食べ歩きを始めたばかりの頃。それもあって、道頓堀というお店での実食は忘れがたい思い出です。


庄司さんのラーメンは、『東池袋大勝軒』山岸一雄さんに麺づくりを学んだこともありますが、ずっと進化を続けているように思います。当時も感動しましたが、それ以上に記憶に残っているのは、店の空気感。お客さんとの距離感が魅力と言えるでしょう。訪れるたびに「ここに帰ってきた」と思えるような、そんな安心感のある接客と雰囲気。店主がずっと現場に立ち続けているからこそ、お客さんも自然と帰ってきたくなる。そんなお店なんです。

道頓堀の40周年パーティーには、実に140人以上のみなさんが集まりました。ラーメン店主や業界関係者が多いのはもちろんですが、常連客が100名以上いらっしゃったというのは、本当にすごいことです。あらためて、「店主が現場に立ち続けること」の価値を痛感しました。

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スタートラインに立ったときの気持ちで15周年へ


僕も、本店のリニューアル時に2日ほど道頓堀さんにお世話になり、味作りを学ばせてもらいました。醤油もワカメも、庄司さんから指南いただいたものをそのまま使わせてもらっています。でも、食べ比べてみても、「似てる」と言われることはあまりありませんよね。これをとっても、僕が本当に影響を受けたのは「ラーメンに向き合う姿勢」なんだと思います。東京のラーメン史に確実に残るであろう名店が、日々の小さな積み重ねを武器に、今なお新店にも負けない一杯を提供しているわけですから。


僕は34歳でソラノイロを創業しました。もし道頓堀と同じく40周年を目指すとすれば、74歳。さすがにその年齢で現場に立ち続けるのは、正直キツいかもしれません。でも、あの40周年パーティーに立ち会いながら、「ソラノイロという店を長く続けていきたい」と、心からそう思いました。食べるたびに、18歳の頃の自分を思い出す。そしてまた、自分もやってみようと思える──そんな“ラーメン”が、そこにある。そんな背中を目指して、歩み続けていければと思います。


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ソラノイロ、15周年に向けて


さて、そこで14周年を迎えるソラノイロですが、今年の周年イベントは少し面白い企画ができました。まず、6月16日には栃木県佐野市の『麺屋ようすけ』田邊店主とのコラボ。本店では出していない「スペシャルつけ麺」を、天草大王の2段仕込みスープと銘柄豚で仕立ててお届けします。


そして、8月にはビッグニュースの発表を控えています。これもまた、ソラノイロの一つの転換点になりそうです。僕たちもまだまだ、変わり続けます。15周年に向けて、また一歩一歩、積み重ねていきたいと思います。今後のソラノイロの進路にご期待ください!


ラーメン店『ソラノイロ』創業者

飲食店コンサルタント 宮崎千尋

 
 
 

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