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M&Aから1年──ソラノイロは、どう変わったのか

 2024年7月、ソラノイロはOICグループに参画しました。M&Aという選択については、その時点で一度noteにも書いていますが、参画から1年が経ったいま、2026年の始まりにあたって、どう感じているのかを整理してみたいと思います。


結論から言えば――「やってよかった」と感じる場面のほうが、圧倒的に多い。それが、率直な実感です。


従業員環境の改善という、明確な成果


いちばん大きな変化は、従業員の待遇・働く環境に関するものです。もともと労働時間の管理などの働き方については、かなり考えてきたつもりでした。それでも、グループに入ったことで、さらに一段階上の水準に引き上げられたと感じています。


・全体的な給与ベースの底上げ

・休暇や制度面の整理・長期的に働ける前提づくり


これは、単独経営では正直、スピード感を持って実現するのが難しかった部分です。大きな資本と組んだからこそ、迷いなく踏み込めた。ここはM&Aの明確なメリットでした。


グループ参画によって得られた原価競争力


次に感じているのが、仕入れ面での強さです。OICグループは、グループで鶏舎を持っています。そのため、鶏ガラやモミジなどを、通常よりも安定した価格で仕入れられる。お米についても、通年で価格を抑えられている部分が大きい。


ラーメン屋にとって、原価は常に神経を使うポイントです。品質を落とさず、でも価格に振り回されすぎない。日々の経営判断において、安定した選択肢を持てるようになりました。


海外展開を見据えた経営フェーズへ


もうひとつ大きいのが、海外展開です。


2026年のソラノイロは、台湾を皮切りに海外進出を本格化させる予定です。これも、単独でやるのと、グループのネットワークを使ってやるのとでは、労力もリスクもまったく違う。


OICグループは、すでに台湾での実績があり、今後はタイなどにも展開していく。その流れの中で、飲食部門であるイートピアグループと連動しながら進められるのは、非常に心強い。


「いつか海外へ」ではなく、「どういう形で、どう広げるか」を具体的に考えられる段階に来ました。


1年が経って見えた、M&Aの本質


M&Aというと、「経営に細かく口を出されるのでは?」と心配される方も多いと思います。


実際には、そういった違和感はほとんどありません。グループ側から参画する役員は、否定や批判ではなく、「どういう意図でやっているんですか?」「こういうやり方もありますよね?」という、対話ベースの関わり方です。


最終判断は、あくまで僕が代表として行う。必要な経費であれば、理由を説明して承認を取ればいい。この距離感が、とてもやりやすい。


結果として、西葛西、麹町のリニューアル、東銀座への本店移転と、2025年はむしろ以前よりスピード感をもって動けています。


最近、ラーメン業界でもM&Aの話は増えています。だからこそ、僕が強く思うのはこれです。


創業者だけが得をするM&Aでは、意味がない。

従業員はどうなのか。

お店を応援してくれているお客さんはどう感じているのか。


「やってよかったね」と、関わる人みんなが思える形でなければ、長続きしない。


ソラノイロのM&Aは、まだ1年目です。あらためて、グループインはゴールではなく、スタートなのだと実感しています。


これから2年目、3年目と、ソラノイロはさらに形を変えていくはずです。その過程も含めて、「M&Aのリアル」を正直に発信していくつもりです。


同じように迷い、決断を迫られている人にとって、何かひとつでも手がかりになればうれしく思います。


ラーメン店『ソラノイロ』創業者

飲食店コンサルタント

宮崎千尋

 
 
 

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